
「クラシックをピアノで弾いてみたいけれど、初心者には難しそう」
そう感じて、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
クラシック曲というと、指がすばやく動く華やかな曲や、楽譜がびっしり書かれた難しい曲をイメージしがちです。たしかに、プロの演奏をそのまま弾こうとすると、初心者にはかなり大変な曲もあります。
でも、すべてのクラシック曲が難しいわけではありません。
ゆったりしたテンポの曲、メロディが覚えやすい曲、初心者向けにやさしくアレンジされた曲を選べば、大人からピアノを始めた方でも十分に楽しむことができます。
この記事では、ピアノ初心者におすすめのクラシック曲を、大人でも取り組みやすい目線で紹介します。
「まずは1曲、最後まで弾けるようになりたい」 「有名なクラシック曲を少しずつ楽しみたい」 「難しすぎない曲から練習したい」
そんな方は、ぜひ曲選びの参考にしてみてください。
ピアノ初心者がクラシック曲を選ぶときのポイント
ピアノ初心者がクラシック曲を選ぶときは、「有名だから」「好きだから」だけで選ぶよりも、自分のレベルに合っているかを確認することが大切です。
有名な曲の中にも、初心者向けのものと、かなり難しいものがあります。
無理に難しい曲を選んでしまうと、途中で指が動かなくなったり、楽譜を見るだけで疲れてしまったりすることがあります。せっかくピアノを始めたのに、「やっぱり自分には無理かも」と感じてしまうのはもったいないですよね。
最初は、弾きやすさを重視して選ぶのがおすすめです。
速すぎない曲を選ぶ
初心者のうちは、テンポが速い曲よりも、ゆっくり弾ける曲のほうが練習しやすいです。
速い曲は、音を追うだけでも大変です。さらに、右手と左手を同時に動かす必要があるため、慣れていないうちはかなり難しく感じます。
ゆったりした曲なら、音を確認しながら落ち着いて練習できます。指の動きやリズムも確認しやすいので、初心者には向いています。
右手と左手の動きが複雑すぎない曲を選ぶ
ピアノ初心者にとって難しいのは、右手と左手を別々に動かすことです。
右手でメロディを弾きながら、左手で伴奏を弾く。この動きに慣れるまでには、少し時間がかかります。
最初は、左手の動きがシンプルな曲を選ぶと練習しやすくなります。たとえば、左手が同じ音を繰り返す曲や、ゆっくりした伴奏の曲は初心者向きです。
短めの曲から始める
最初から長い曲に挑戦すると、途中で疲れてしまうことがあります。
初心者のうちは、短めの曲や、1ページ程度で弾ける曲から始めるのがおすすめです。
短い曲でも、最後まで弾けると大きな達成感があります。「1曲弾けた」という経験は、次の練習への自信にもつながります。
有名曲でも初心者向けアレンジを選べば弾きやすい
クラシックの有名曲には、初心者向けにやさしくアレンジされた楽譜がたくさんあります。
原曲は難しくても、初心者向けアレンジなら音の数を減らしたり、左手の伴奏を簡単にしたりしてあります。
「この曲は難しそう」と思っても、初心者向けの楽譜を探してみると、意外と弾ける形になっていることがあります。
大人初心者の場合は、まず原曲にこだわりすぎず、やさしいアレンジから楽しむのが続けやすい方法です。
ピアノ初心者におすすめのクラシック曲10選
ここからは、ピアノ初心者におすすめしやすいクラシック曲を紹介します。
曲によって難易度には差がありますが、初心者向けアレンジを選べば取り組みやすくなる曲も多くあります。
「知っている曲を弾きたい」「大人っぽい曲を楽しみたい」という方にも向いています。
エリーゼのために/ベートーヴェン
「エリーゼのために」は、ピアノ初心者が一度は弾いてみたいと感じる定番のクラシック曲です。
冒頭のメロディはとても有名で、少し弾けるだけでも「ピアノを弾いている」という実感を得やすい曲です。
ただし、原曲をすべて弾こうとすると、途中に速い部分や難しい動きもあります。完全な初心者の場合は、まず冒頭部分だけを練習したり、初心者向けアレンジの楽譜を選んだりするとよいでしょう。
大人初心者にとっては、目標曲としても人気があります。
歓びの歌/ベートーヴェン
「歓びの歌」は、ベートーヴェンの交響曲第9番の有名なメロディです。
メロディがわかりやすく、音の動きも比較的シンプルなので、ピアノ初心者にも取り組みやすい曲です。
右手だけでも弾きやすく、慣れてきたら左手の伴奏を加える練習にも向いています。
クラシックらしさがありながら、親しみやすい曲なので、最初の1曲としてもおすすめです。
メヌエット ト長調/ペツォルト
「メヌエット ト長調」は、昔からピアノ初心者の練習曲として親しまれている曲です。
長い間バッハの作品として知られていましたが、現在ではクリスティアン・ペツォルトの作品とされています。
上品でクラシックらしい雰囲気があり、テンポも極端に速くありません。右手と左手のバランスを練習するのにも向いています。
大人が弾いても落ち着いた印象になりやすく、初心者向けのクラシック曲として選びやすい1曲です。
プレリュード ハ長調/バッハ
バッハの「プレリュード ハ長調」は、やさしく美しい響きが特徴の曲です。
音の流れが規則的で、ゆっくり練習しやすい曲です。派手さはありませんが、弾いていると和音の響きを楽しめます。
ただし、同じような動きが続くため、途中で集中力が切れないように少しずつ練習するのがおすすめです。
クラシックらしい落ち着いた曲を弾きたい大人初心者に向いています。
アヴェ・マリア/グノー=バッハ
「アヴェ・マリア」は、やさしく穏やかな雰囲気のある名曲です。
美しいメロディが印象的で、大人の趣味としてピアノを楽しみたい方にも人気があります。
原曲の雰囲気をそのまま弾こうとすると難しい部分もありますが、初心者向けアレンジならゆっくりしたテンポで練習しやすいです。
落ち着いた曲を弾きたい方、しっとりしたクラシック曲に挑戦したい方におすすめです。
トルコ行進曲/モーツァルト
モーツァルトの「トルコ行進曲」は、明るく華やかな雰囲気で人気の高い曲です。
ただし、原曲はテンポが速く、初心者にはかなり難しい曲です。
そのため、初心者が挑戦する場合は、必ずやさしいアレンジ版を選ぶのがおすすめです。メロディを中心に簡単にした楽譜なら、曲の楽しさを感じながら練習できます。
「いつか原曲にも挑戦したい」と思える、目標にもなりやすい曲です。
主よ、人の望みの喜びよ/バッハ
「主よ、人の望みの喜びよ」は、穏やかで品のある雰囲気が魅力のクラシック曲です。
結婚式や式典などで耳にすることもあり、聞いたことがある方も多いかもしれません。
原曲に近い形では難しい部分もありますが、初心者向けアレンジなら、ゆったりとしたテンポで練習しやすくなります。
大人っぽく落ち着いた曲を弾きたい方に向いています。
ジムノペディ第1番/サティ
サティの「ジムノペディ第1番」は、静かで少し不思議な雰囲気を持つ曲です。
テンポがゆっくりしているため、初心者でも挑戦しやすい曲として紹介されることがあります。
ただし、左手の和音や音の響かせ方には少しコツが必要です。速く弾く曲ではない分、音をきれいに伸ばすことを意識すると雰囲気が出やすくなります。
大人のピアノ趣味にぴったりの、落ち着いた名曲です。
別れの曲/ショパン
ショパンの「別れの曲」は、美しいメロディで有名なクラシック曲です。
原曲は初心者にはかなり難しい曲ですが、メロディ部分を中心にした初心者向けアレンジなら楽しみやすくなります。
「いつかショパンを弾いてみたい」という方にとって、やさしいアレンジ版はよい入口になります。
しっとりした雰囲気の曲が好きな方におすすめです。
カノン/パッヘルベル
「カノン」は、クラシックに詳しくない方でも耳にしたことがある有名曲です。
ゆったりした雰囲気で、結婚式やBGMでもよく使われます。
ピアノ用の初心者向けアレンジも多く、右手でメロディを弾きながら、左手でシンプルな伴奏をつける練習に向いています。
やさしくきれいな曲を弾きたい方におすすめです。
完全初心者は原曲より初心者向けアレンジがおすすめ
クラシック曲を弾くとき、「できれば原曲のまま弾きたい」と思う方もいるかもしれません。
もちろん、原曲を目標にするのはとても素敵なことです。
ただ、ピアノを始めたばかりの段階では、原曲にこだわりすぎないほうが続けやすくなります。
クラシックの原曲は、作曲家が演奏技術のある人を想定して書いているものも多く、初心者には難しい部分がたくさんあります。
一方、初心者向けアレンジは、音の数を減らしたり、リズムをわかりやすくしたり、左手の伴奏を簡単にしたりしてあります。
最初はやさしいアレンジで曲の雰囲気を楽しみ、慣れてきたら少しずつ原曲に近い楽譜へ進むと、無理なく上達しやすくなります。
大切なのは、難しい楽譜を無理に弾くことではありません。
「弾けた」「楽しい」「また練習したい」と思える曲を選ぶことです。
大人初心者がクラシック曲を練習するときのコツ
大人になってからピアノを始めると、思うように指が動かなかったり、楽譜を読むのに時間がかかったりすることがあります。
でも、それは自然なことです。
焦らず、練習のやり方を工夫すれば、少しずつ弾ける範囲は広がっていきます。
最初から両手で弾こうとしない
初心者がつまずきやすいのは、最初から両手で弾こうとすることです。
右手だけなら弾けるのに、左手を入れた瞬間に止まってしまう。これは初心者にはよくあることです。
まずは右手だけ、次に左手だけ、それから両手で合わせる。この順番で練習すると、無理なく進めやすくなります。
片手ずつゆっくり練習する
練習するときは、最初から曲の速さで弾こうとしなくて大丈夫です。
むしろ、かなりゆっくり弾くほうが効果的です。
ゆっくり弾くことで、音の間違いに気づきやすくなります。指の動きも確認しやすくなり、少しずつ安定して弾けるようになります。
「ゆっくりなら弾ける」という状態を作ってから、少しずつテンポを上げるのがおすすめです。
1曲を最後まで弾ける喜びを大切にする
ピアノ初心者にとって、1曲を最後まで弾けるようになることは大きな自信になります。
難しい曲を途中まで弾くよりも、やさしい曲を最後まで弾けるほうが、練習の楽しさを感じやすいです。
最初は短い曲でもかまいません。
最後まで弾ける曲を少しずつ増やしていくことで、「自分にも弾ける」という気持ちが育っていきます。
初心者が避けたほうがよいクラシック曲
クラシックには魅力的な曲がたくさんありますが、初心者には難しすぎる曲もあります。
もちろん、将来的な目標として持つのはよいことです。ただ、最初の練習曲として選ぶと挫折しやすい場合があります。
テンポが速すぎる曲
テンポが速い曲は、指の動きが追いつきにくくなります。
音が多く、リズムも細かい曲は、初心者には負担が大きいです。
有名な曲でも、まずは初心者向けアレンジから始めると安心です。
和音や跳躍が多い曲
和音が多い曲や、手を大きく移動させる曲も初心者には難しく感じやすいです。
手の形が安定していないうちは、無理に大きな動きをしようとすると、ミスが増えたり、手に力が入りすぎたりすることがあります。
最初は、音の動きがなだらかな曲を選ぶと練習しやすいです。
有名でも難易度が高い曲
「幻想即興曲」「革命のエチュード」「ラ・カンパネラ」などは、とても有名ですが、初心者向けの曲ではありません。
動画などで見ると憧れる曲ですが、かなり高度な技術が必要です。
こうした曲は、すぐに弾けなくても落ち込む必要はありません。まずはやさしい曲で基礎を作り、少しずつステップアップしていきましょう。
よくある質問
ピアノ初心者でもクラシック曲は弾けますか?
はい、弾けます。
ただし、曲選びが大切です。原曲が難しい場合でも、初心者向けアレンジを選べば弾きやすくなります。
最初は、短くてテンポがゆっくりした曲から始めるのがおすすめです。
大人から始めてもクラシック曲は楽しめますか?
大人から始めても、クラシック曲は十分に楽しめます。
大人の場合、好きな曲や憧れの曲がはっきりしていることも多く、それが練習の モチベーションになることがあります。
無理に難しい曲を選ばず、自分のペースで楽しむことが大切です。
最初に選ぶならどの曲がおすすめですか?
完全初心者なら、「歓びの歌」や「メヌエット ト長調」など、メロディがわかりやすく短めの曲がおすすめです。
少し慣れてきたら、「エリーゼのために」の冒頭部分や「カノン」の初心者向けアレンジに挑戦してみるのもよいでしょう。
原曲と初心者向けアレンジはどちらがよいですか?
初心者のうちは、初心者向けアレンジがおすすめです。
原曲にこだわりすぎると、難しくて途中で止まってしまうことがあります。まずはやさしい楽譜で曲の雰囲気を楽しみ、慣れてきたら少しずつ原曲に近づけていくとよいでしょう。
楽譜が読めなくても練習できますか?
最初は楽譜が読めなくても、少しずつ覚えていけば大丈夫です。
ただし、音名やリズムを少しずつ理解できるようになると、練習はかなり楽になります。
初心者向けの楽譜や、音名が書かれている楽譜を使うと始めやすいです。
まとめ
ピアノ初心者でも、曲を選べばクラシックを楽しむことは十分にできます。
大切なのは、いきなり難しい原曲に挑戦するのではなく、自分のレベルに合った曲や初心者向けアレンジを選ぶことです。
今回紹介したような、テンポがゆっくりした曲、メロディが覚えやすい曲、短めに練習できる曲は、大人初心者にも向いています。
最初から完璧に弾く必要はありません。
少しずつ音を覚え、片手ずつ練習し、最後まで弾ける曲を増やしていくことが大切です。
クラシック曲には、長く愛されてきた美しいメロディがたくさんあります。
まずは「弾いてみたい」と思える1曲を選んで、無理のないペースでピアノを楽しんでみてください。